「お金」について考えませんか?:「エンデの遺言(根源からお金を問うこと)【第1章、第2章】」
「お金持ちになりたいですか?」
多くの方が「はい」と答えますよね?
では、
「多くの人を犠牲にしてでも、お金持ちになりたいですか?」
という場合ではどうでしょうか?
この本は、改めてお金に対する考え方を見直すための本です。
・エンデの遺言「根源からお金を問うこと」
-著者:河邑厚徳 先生 + グループ現代
この本の素晴らしいところは、単に「お金について考える」だけでなく、「倫理、美意識」を身につけるために役立つ点です。
「お金持ちになりたい」という考えの否定ではなく、「正しいお金のあり方」を考え、「お金に対する意識を変えよう」と思えるようになります。
全部で5章あります。
今回は「第1章」「第2章」について書きます。
エージング・マネー(老化貨幣)
ある本を複数の方が読んだとして、「全員が全く同じ解釈」となるでしょうか?
読み手によって変わるのが「自然」です。
「年をとる」ことも同じように「自然」です。
人間(動物)も、物も必ず「年」をとります(劣化します)。
では、なぜ「お金」は年をとらないのだろう?
この事実が「お金を特別なもの」にし、「価値」を高めているのでは?
お金にも「限界を持たせること」で、「非良心的な行動が褒美を受け、良心的に仕事をすると破滅する」現在の経済システムを変えられる、とエンデは説いています。
① ローカルな通貨システムが安定を促す
世界には2,000近くのローカルな通貨システムがあり、地域経済の安定を助けている。
その理由は「交換機能」だけを有したもので、「利子(付加価値)」が発生しない「(本来お金が持つべき)本質的な価値」のみだから「複雑にならない」ためである。
② 1%が99%より多くの資産を所有
自然環境を奪い、貧しい国がさらに貧しくなる一方で、少数の者が利益を吸い上げ続けている。
・例: アメリカでは、人口の1%がその他99%よりも多くの資産を所有している
今の経済はそのように「なってしまう」システムである。
また、本来「捧げられるべきもの(例えば性愛)」が売買されていること、つまり、「お金自体が商品として売買されていること(等価代償でないこと)」が貨幣の本質を歪めているのではないか?
③ エコロジーの障害はお金不足
どのようなエコロジー上の問題も技術的には解決可能である。
解決できない要因は「お金が足りない」こと。「一部の資本でのみ利潤が生み出される」経済システムの犠牲となっている。
あらゆるエコロジー・プロジェクトの障害は「資金不足」である。
「エージング・マネー(老化貨幣)」という仕組みで経済システムによる犠牲者を減らすことができる、エンデと数名の思想家がそのように説いています。
「倫理」、「美意識」の大切さ
現代では、倫理や美意識の重要性はお金に対して以外でも、一層高まっています。
変化の激しい現代で「法律」が後から整備されることが少なくないからです。
倫理や美意識に頼る判断は、今後ますます必要となるでしょう。
この本のように倫理、美意識などの「価値観」を磨くために役立つ本はたくさんあります。
皆さんもそのような本をまずは一冊、探してみませんか?