「マーケティングの本だけど、組織マネジメントに役立ちます:「習慣で買う」のつくり方」
「部下一人ひとりと話し合い、腹落ちさせて業務をやらせろ」
部下を持つ方にとっては馴染みのある表現です。
では、
「腹落ち」って、どうすれば良いの?
と、一度は思ったことはありませんか?
辞書では「なるほどそうだと思う。納得する。」とありますが、どうすればそうなるのか、上長の方は悩みが尽きないのではないでしょうか?
そんな疑問について、「マーケティング」の考え方から学べる本を紹介します。
・本のタイトル: 「習慣で買う」の作り方
-著者: ニール・マーティン 先生
「なぜ現代マーケティングが顧客との有益な関係を確立し維持するという目的果たせていないか」 、という著書のテーマから、組織マネジメントに必要な考え方を学べます。
マーケティングの勉強にもなり、一挙両得の本です。
「頭でっかち」の上司になるな
もちろん「正論を言う」だけでは部下は納得しません。
(むしろ反発するはず…)
その時の都合や人間関係など、様々な要素が発生するのが現場です。
ですが、あなたも上長からの指示で「何とかしなくてはならない立場」です。
悩んでいるあなたは「何とかしたい」と思い、「日々戦っている」上司でしょう。
もし、あなたが「業務が必要な意味」や、「協力をお願いする」だけで納得させようとしている場合は、上手くいかないことが多いはず。
不満が出れば「あなたのせい」にされ、そんな状況になった際に「あなたの上司」が守ってくれない場合もあるでしょう。
そこで、「習慣脳」に働きかけるという本書の考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか?
① 1日の45%は同じ行動
人は、1日の半分近くを「同じ時間に同じ行動」をとる、という研究結果があります。
そこから部下が「嫌だと思っている習慣」が改善される理由などを見つけ、それを利用して指示してみましょう。
② 行動の95%は潜在意識
普段話している部下の言葉だけでその人を判断すると、「5%(顕在意識)」分しか理解していないことになります。
その人の行動は「潜在意識」が決めます。
「部下の普段の行動」を理解することに努めると、部下の特徴理解を促進します。
③ 「習慣脳」と「判断脳」を使い分ける
言葉にすることは「判断脳」の役目ですが、その判断の土台は「習慣脳」です。
普段の行動がその人の判断を育てます。
「習慣脳」に刺さる言葉を、あなたの「判断脳」で導き出してください。
多様性が重視される現代では、論理的な「判断脳」だけではなく、むしろ感情を司る「習慣脳」への働きかけが重視されるのでしょう。
「腹落ちさせろ」との指示には「習慣脳」への働きかけで対処しましょう。
なお、真剣に対応した結果あなたの言葉が届かず、「上長の業務命令」になってしまった場合は気にしないようにしましょう。
やる事はやっている(これが大切)し、それに相手も大人です。
部下を「顧客」として見る
マーケティングの考え方を組織内部に応用する場合、部下を「顧客」として考えると理解しやすく、他のマーケティング書籍も参考になります。
「顧客がいなければ会社はいらない」のと同様、
「部下がいなければ上司はいらない」はず。
内勤職の方でも、「部下を顧客として考える」とマーケティングが理解しやすくなるでしょう。
まずは自分の部下が「どんな行動をしているか」を把握することから始めてみてはいかがでしょうか?