ご存知ですか?「奴隷道徳」:「ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた」

「奴隷道徳」という言葉を知っていますか?

「臆病な卑劣さ → 謙虚」
「仕返ししない無力さ → 善い」
「弱者のことなかれ主義 → 忍耐」

弱者であることを美化した表現が用いられ、「非利己的」が良いとされている風潮が「奴隷道徳」。
本来人間は「利己的な生き物」で、道徳に振り回されて自分を否定する必要はない(ニーチェ)。

…の様な、私たちの「先入観」を考え直す「小説」を紹介します。


 ・本のタイトル:ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた
  -著者:原田まりる 先生

ニーチェ以外の哲学者も登場し、それぞれの人物が「現代人に憑依」して、(上記の様な)考え方を女子高生に伝えていく小説です。

 「妬み」や「不安」は必ずしも悪いわけではない

の様な、少し変わった視点を持つキッカケとなる本です。

絶望しないために哲学

「不安」に対して誠実に向き合わず、気持ちに蓋をして「絶望」していることに気づかない(ふりをしている)。

そんな「無自覚な絶望」状態にならないように、「考える能力を低下させない」ための学問が哲学です。
(と解釈しました。)

様々な考え方から、目を引いたものを3つ紹介します。

① 不安は「可能性」があるということの表れ
あきらかに無理だと思っている「手の届かないこと」に対しては、人は不安を抱かない。
「うまくいく可能性のあるもの」に対して、「うまくいかない可能性があること」に不安を抱く。

不安から逃れたい、という目的で選択すると、自分を騙し続ける選択をし続けるようになる。

② いたわり過ぎが、自分を弱くする
「モテたい」、「金を稼ぎたい」、「優越感に浸りたい」…そんな気持ちに「貪欲になりすぎ」ることが、なぜ悪い?

欲をむき出しにすることに対しての「恥ずかしさ」から「無欲」を気取ると、人生に対して無気力になる。

③ 妬まれる人になる

大衆からすると、個性を持って主体的に生きている人は「妬み」の対象。
それが肯定されると、自分たちの生き方がちっぽけに感じるから。

そのために時間を使うようになると、自分の世界が「妬み」に支配されるようになる。


社会の秩序(倫理)を守り、個人を尊重する。

難しいですが、だから常に考える。
万人が納得する哲学はないから、自分で哲学する。

他人に対しての遠慮や罪悪感は、本能に逆らった考え方なのかもしれません。

「人生を絶望にしないための学問」が哲学です。

不安がない人生を求めない

不安から逃げる選択を繰り返すと「思考停止」状態になってしまいます。

人生は「不公平」ではあるが、「不幸」ではない。
戦い方は自分が決める

そんな勇気をくれる小説です。

まずはひとつ、自分の道徳を疑うことから試してみてはいかがでしょうか?

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